設備・機器情報 導入事例

省エネ診断を実施したことによって、改善点をピンポイントで把握することができた。

シート生地等の洗浄工程で利用する温排水の再加熱に、循環加温ヒートポンプを採用。既存設備との併用により、導入・運用コストを削減。

自動車、航空機、鉄道等の各種輸送機器のシート生地などの内装用ファブリックの開発、製造、販売を手がけるTBカワシマ株式会社さま。同社の製品は私たちの身近な場所で広く採用されており、暮らしの中で毎日のように利用されている方も少なくないはずです。今回は同社顧問で環境管理責任者の加納章さま、製造部施設・設備チームリーダーで環境法令管理者の長谷川義三さま、人事総務室長で環境推進事務局の堀居明さまに、設備・機器導入に至った経緯や、導入の成果とその他のメリット等についてお話を伺いました。

TBカワシマ株式会社さま
設備・機器導入のポイント

  • 1. 生地の染色・洗浄工程で利用する、蒸気ボイラーの都市ガス使用量の削減が課題に。
  • 2. 省エネ診断を実施。洗浄工程で利用する温排水の再加熱に循環加温ヒートポンプを採用。
  • 3. 既存設備を改修・流用し、導入コストを抑制。エネルギーコストを年間で約23%削減。

課題:温排水の再利用時のガス使用量・ランニングコストを削減したい。

加納さま

加納さま

当社が製造する内装用ファブリックの「染色」工程では、地下から汲み上げた水に染料を混ぜた染液と白い布を圧力釜のような染色機内で約130℃まで加熱することで色を付けます。そして、染め上がった生地は、余分な染料等を洗い流すために、お湯ですすぐ「洗浄」の工程に入ります。染液を加熱したり、洗浄用のお湯を温めたりするためには、都市ガスを使った蒸気ボイラーの力を借りる必要があるのですが、ここで大きなエネルギーを消費することになります。
当社では省エネ・省コスト化や資源の再利用の観点から、高温になった染色機を冷却する際に発生する温排水をタンクに蓄え、それを洗浄工程で再利用しています。高温になった染色機の周囲を循環した水は温排水になるため、それをタンクに蓄え、洗浄に再利用するのです。
ところが、タンクに蓄えられた温排水は次第に温度が下がってしまうため、洗浄に再利用する前に蒸気ボイラーで最適な温度(約70℃)になるまで再加熱しなければなりません。 染液を加熱する工程でのボイラーや都市ガスの利用については代えが効きませんが、温排水の再加熱については、別の方法があるのではないか?と社内で検討をしていました。しかし、なかなか有効な対策を打ち出せずにいたのです。

導入・効果:
循環加温ヒートポンプの採用等によりコストを約23%削減。

堀居さま

堀居さま

そのような中で、温排水の再利用を含めた工場内の省エネ・省コスト化を加速させるために、関西電力さんに「省エネ診断」を依頼したのが2013年(平成25年)末でした。年明け早々には省エネ診断が実施され、3月には温排水の再加熱に循環加温ヒートポンプを導入するなど複数のご提案をいただきました。その後、機器選定や補助金申請などの様々な手続きを経て、2015年(平成27年)8月に洗浄工程での温排水を再加熱する循環加温ヒートポンプの稼働に至ったのです。
なお、温排水を蓄えるタンクは従来のものを継続利用し、放熱ロスを可能な限り抑えるために保温加工を施すといった対策も実施しました。また、電力料金が安い夜間に循環加温ヒートポンプで蓄熱し、昼間は既存の蒸気ボイラーと併用する方式としたことで、イニシャルコストを抑制し、ランニングコストを削減することに成功しています。新たな設備・機器の導入によって、生地の洗浄工程におけるトータルのエネルギーコストは、年間に約23%も削減させることができています。

温排水の再加熱にかかる光熱費を削減

関連する設備機器のご紹介

循環加温ヒートポンプ

循環加温ヒートポンプとは、空気中から熱を取り込み、冷媒を使用して少ない投入エネルギーで循環する水を加温する熱源機です。工場などでご利用になる90℃までの洗浄機や加温装置等に対応が可能で、分散設置も可能なため、段階的に効果を検証しながらの導入や、レイアウト変更などが必要な場合にも、柔軟な対応が可能となります。熱源ユニットは、空気中から熱を取り込んだ後に冷風を排出するため、熱源ユニットを高温になりがちな作業場所に設置し、簡易的な冷房機器のようにお使いいただくこともできます。

TBカワシマ株式会社さまのトピックス

国内はもちろん、世界で認められる製品とブランド

国内の自動車のシート・ドア用生地、その他内装材において、約30%ものシェアを誇るTBカワシマ株式会社さま。自動車だけでなく、航空機や鉄道車両、バスなどの各種輸送機器の内装用ファブリックも製造されています。製造だけでなく、各種輸送機器メーカーの製品開発と連動したデザイン企画や素材の開発・提案から、販売までを自社で一貫して手がけておられることもTBカワシマ株式会社さまの特長です。そのフィールドは国内だけにとどまらず、北米、中米、アジア、オセアニアにまで広がっています。

関西電力による「省エネ診断」について、
どのような印象をお持ちですか?

当社の製造工程における省エネ・省コスト化については、大量に水を消費すること、都市ガスや電気にかかるコスト、排水の処理方法など、様々なポイントがあります。一方、当然ながら省エネ・省コスト化にかかる費用の問題などもあり、ピンポイントで改善点を見出し、何らかの対策を実施することはなかなか難しい状況でもありました。そんな中で、関西電力さんに省エネ診断の相談を行うことで、有効かつ具体的な改善点を把握することができたのは大きかったですね。省エネ診断にあたっては、製造プロセスをご理解いただくところからスタートし、予め目星を付けたうえで工場内各所のデータを計測したり、当社提供の数値を読み込んだりしながら、省エネ・省コスト化に向けた複数のご提案をいただきました。効果の予測値、設備・機器の仕様、導入のコスト、コスト回収までの期間なども詳細且つ正確にご提示いただけましたし、補助金申請に関する情報提供などもありました。おかげさまで、設備・機器導入に関する社内での報告・申請の場面でも大いに助かりましたね。

コスト削減のほかに、得られたメリットがあれば教えてください。

今回の設備・機器導入によって、年間で約23%ものコスト削減を達成できたことに、大いに満足しています。蛍光灯を間引く、休憩時には電気を消す…といった方法だけでは、これだけの成果を得ることは不可能なことですからね。コスト削減と同時に、ボイラーの使用頻度を抑えることで、CO2排出量を削減できたことも良かったと思います。私たちは広告・宣伝を行なったりはしていませんが、やはり企業イメージというのは大切なものですし、省エネや環境対策といった取り組みは製造業にとって欠かせないものとなっています。お客さま、親会社、自治体、地域の方々などから、「どのような環境取り組みを行なっているのか?」といった問い合わせがあったとしても、胸を張ってお答えできる成果を得られたと考えています。当社のグループ会社においても、省エネ・省コスト化への気運が高まっていくことに繋がる可能性もありますし、現場の担当者としては職務上での実績を築くこともできたと思います。

設備・機器の導入直後ですが、今後のご要望などをお聞かせください。

循環加温ヒートポンプをはじめとする、新たな設備・機器の稼働から約1年になります。これまでにも、生産量や工場の稼働状況などをもとに、設備・機器の最適な運用に向けたチューニングを実施していただいており、今後も更なる省エネ・省コスト化を実現できるものと期待しています。今回は洗浄工程での温排水の再利用といった部分でサポートをいただくことができましたが、先ほどもお話ししました通り、省エネ・省コスト化のポイントはいくつも存在しています。これからも、「電気」という面だけでなく、様々な場面での省エネ・省コスト化に向けたアイデア、施策のご提案をいただけると嬉しく思います。当社としても、可能な限りのデータや情報などを提供させていただき、関西電力さんと緊密にコミュニケーションを取りながら、より効率的なエネルギーの活用に取り組んでいきたいと思っています。

担当者のコメント
関西電力 滋賀営業部ビジネス営業グループ
鈴木昭

省エネ診断や日常的なヒアリングなどの場面で、必要となる情報や各種データをご提供いただいたほか、設備・機器メーカーの展示会や工場見学などにも積極的にご参加いただきまして、誠にありがとうございました。貴社の省エネ・省コスト化に対する真摯な取り組みと熱意にお応えできますよう、今後も正確なデータをもとにした有益なご提案を継続的に提供し、さらなる省エネ・省コスト化の実現をサポートさせていただきます。
最後に、関西電力では、お客さまの設備に合った省エネコンサルを実施しております。今回の事例と同様な製造工程があるお客さま、もしくはご興味をもたれたお客さまがおられましたら、関西電力までお気軽にご連絡いただければと思います。
関西電力 滋賀営業部ビジネス営業グループ 鈴木昭
TBカワシマ株式会社さま

TBカワシマ株式会社さま

滋賀県愛知郡愛荘町東円堂923
Tel:0749-42-7405
http://www.tb-kawashima.co.jp

2009年(平成21年)、トヨタ紡織株式会社、株式会社川島織物セルコン、株式会社龍村美術織物エーアイの3社が事業統合する形で設立された、輸送機器用内装材のメーカー。自動車を中心に、航空機、鉄道、バスなどの各種輸送機器向けのシート・ドア用生地など、内装用ファブリックの製造から販売までを幅広く手がけている。グループ会社を含め国内に8つの拠点を構えるほか、海外にも13の拠点を展開。世界各国に品質・デザインにおける高いクオリティーが備わった製品を送り出している。

掲載の情報は2016年8月現在のものです。

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