●「花山天文台」とは
京都で、100年以上前の望遠鏡が未だに現役で活躍しているのはご存知ですか。
京大理学研究科附属天文台は、1929年の花山天文台開設以来80年以上にわたり、わが国における天文学の観測拠点の一つとして、最先端の天文学研究を推進してきました。
また、花山天文台は、「アマチュア天文学の聖地」と呼ばれるなど、天文学の教育普及活動の拠点としても、重要な役割を果たしてきました。
小中高校生や他大学の学生の見学・観測実習、教育関係者の研修をはじめ、様々なグループの見学も受け入れるなど、天文学の研究成果を社会へ還元するための活動を積極的に行っています。
近年では、花山天文台には年間約3000人もの方々が訪れています。
その約半数は小中高校生であり、子どもたちが宇宙や科学に触れ、知的好奇心を育むためにも大きな貢献をしています。
しかし、大学を取り囲む情勢は厳しく、あらゆる組織・分野において、予算・人員を有効利用する改革の必要性が認識されています。
花山天文台においてもこの事情は変わらず、来年度の岡山3・8m望遠鏡の観測開始に合わせて、花山天文台の運営費の大半(1500万円)を岡山3・8m望遠鏡の運営費に移算することになりました。
これにより、来年度からは花山天文台に人員を常駐させることができなくなり、これまでのような見学会や観望会を継続的に開催することは困難となりました。
■花山天文台でみることのできる歴史的装置とは
花山天文台の「本館」ドームは直径9m。
国内で3番目に大きい45cm屈折望遠鏡があります。
隣の「別館」5mドームにあるザートリウス社製の18cm屈折赤道儀は1910年のハレーすい星接近のとき、京都大学が購入したもの。
1986年にハレーすい星が再び帰ってきたときにも観測に使われ、2回もハレーすい星を観察した、108歳のとても幸せな望遠鏡です。
開設当初に建てられた「歴史館」(旧子午線館)は、大正から昭和の洋式木造建築として貴重なもの。最近、白く塗り直され、ますます美しく愛らしくなりました。なかには天文観測資料が展示されています。
現在の花山天文台の台長は、日本天文学会会長の柴田一成先生。
■みなさまへのお願い
京都大学としては、現存の花山天文台の建物や施設を劣化させないため、および必要に応じて見学会や観望会が開催可能となるような最低限のメンテナンスのための光熱水費については、今後も引き続き支出する予定としており、今後、上記のような大型計画を支援する企業あるいは個人の方が見つかった折には、京都大学の教職員がこれまで同様に協力する所存であります。
また、このような大型計画が走らない状況でも、年間1000万円の支援があれば、現在の歴史的な望遠鏡観測装置施設は、小中高大学教育や市民見学会のために活用できますので、京都大学としても可能な限り、花山天文台におけるこれまで同様の教育普及への貢献は続ける所存であります。
つきましては、京都さらには日本を代表する歴史的天文台としての花山天文台を今後とも存続させ活用できますよう、皆様からの温かいご支援、ご協力を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
■応援頂いた方への特典について
応援者全員:
台長からの御礼メール
1000P~:
クリアファイルを進呈
5000P~:
天文台の見学会へ参加
※建物の大きさなどの関係上、抽選で20名さまを選出しご招待させていただきます。