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戸建てを購入する際の進め方とは?
入居までにかかる期間や注意点

戸建てを購入する際の進め方とは?入居までにかかる期間や注意点

戸建ての購入を検討している人の中には、どのように進めていくのかわからず不安に思っている人も多いのではないでしょうか。購入の前には条件や返済計画などを明確にしておく必要があるほか、入居までにかかる期間を把握したうえで余裕を持って進めていくことが大切です。

この記事では、戸建て購入の際の進め方や入居までにかかる期間、注意点について解説します。

戸建てを購入する際の流れ

戸建てを購入する際は、一般的に以下の流れで進めていきます。注文住宅と建売住宅とでは少し異なる点があるため、表にまとめてご紹介します。なお、以下の流れはあくまで一例です。購入する物件やローンの組み方などによって流れが変わることもあるため、ご留意ください。

手順 注文住宅 建売住宅
1. 希望条件を洗い出す 希望条件を洗い出す 希望条件を洗い出す
2. 実際に物件を見に行く 土地・建物を見に行く 建物を見に行く
3. 購入の申し込みをする 土地の購入申し込み 建売住宅の購入申し込み
4. 住宅ローンの審査 住宅ローンの審査 住宅ローンの審査
5. 売買契約 土地の売買契約 建売住宅の売買契約
6. 住宅の設計 注文住宅の設計
7. 請負契約・確認申請 注文住宅の建築請負契約・建築確認申請
8. 住宅ローン契約 住宅ローン契約 住宅ローン契約
9. 決済をする 決済をする 決済をする
10. 引き渡し 引き渡し 引き渡し

■①希望条件を洗い出す

まずは、戸建てに求める条件を洗い出し、整理しておきましょう。地域や最寄り駅、路線などの立地条件、部屋数や間取りなどの希望を書き出します。このとき、とくに重視したいポイントを決めておくことが大切です。たとえば、治安がよく子育てのしやすいエリアを選ぶか、利便性を重視するかなどです。

また、外観・内装が好みであることや、耐久性や耐震性があること、リフォームしやすいことなど、各家庭によって重視するポイントはさまざまでしょう。

ただし、全ての条件を完全に満たす物件は価格も高くなることが多いため、優先順位を考え、譲れないものを決めておく必要があります。その希望条件によって、かかる金額がある程度決まってきます。実際に払える金額と、希望条件から算出した金額を比べ、納得のいくラインを決めることで予算を明確にできます。

■②実際に物件を見に行く

希望条件や予算が決まったら、条件に近い物件を探し、実際に見に行きましょう。この工程を「内覧」や「内見」などといいます。現地ではとくに、広告などではわかりにくい点を重点的にチェックします。

立地に関しては、日当たりや周辺環境、人通り・車通りの多さのほか、隣や裏側にどのような家が建っているかなども見ておきます。ゴミ捨て場の位置なども把握しておくべきポイントです。

とくに建売住宅や中古住宅の場合は、基本的にそのままの状態で購入するため、外観・内装・間取りといった基本的な部分のほか、設置されているキッチンや洗面台、浴室などもチェックします。機能面をはじめとした使い勝手やグレード、デザインなどを確認しましょう。

また、オール電化住宅か、電気・ガスの併用住宅かも重要なポイントです。給湯器やキッチンの調理器などの種類を見ておきましょう。オール電化を希望する場合は、電気温水器やエコキュートなどの給湯器、IHクッキングヒーターが設置されているかもチェックします。

一方、注文住宅を建てる場合は、まずどのハウスメーカー・工務店にするかを決める必要があります。そこで展示場を見に行くとイメージがつきやすいかもしれません。
実際の部屋の広さや動線の長さ、床材やクロスの質感などは図面上ではわかりにくいため、展示場で体感しておくと、イメージしやすくなります。

ただし、展示場の家をそのまま購入するわけではありません。展示場で使っている内装や設備は標準仕様ではないこともあるので、必ず確認しておきましょう。

■③購入の申し込みをする

購入する物件が決まったら、売主へ不動産購入申込書を提出しましょう。注文住宅を建てる場合は、この段階では土地のみの購入申し込みをします。建売住宅や中古住宅なら、土地・建物あわせて一式で購入申し込みをします。

不動産購入申込書に記載する内容は、購入希望額や手付金の額、代金の支払い予定時期、住宅ローンの利用予定や借入金額などです。

この申込書を提出することで申し込みの意思を示すことができ、記載内容に売主が合意すると、予約が成立します。

■④住宅ローンの審査

住宅ローンを利用して住宅を購入する場合は、契約前に住宅ローンの事前審査(仮審査)をおこないます。

事前審査とは、正式に申し込む前に「ローンを借りられる見込みがあるか」を審査するものです。買主に支払能力があることを確認できなければ、売主や不動産会社は契約を結べないため、事前審査をおこなう必要があります。

事前審査を提出する際は、各金融機関で用意されている書式に記入します。そのほかの必要書類は金融機関により異なりますが、収入を証明できる源泉徴収票や所得証明書、本人確認書類などを提出するのが一般的です。現時点で他に借り入れがある場合は、借入金額や完済予定などがわかる明細書も必要です。

審査の結果は、早ければ1~5日程度で届きます。

■⑤売買契約

事前審査に通ったら、物件の売買契約を行います。

契約当日に行うことは、契約内容の確認と書類への記名・押印です。重要事項説明書と不動産売買契約書の2つを読み上げ、金額や所在地などのほか、条文の内容を確認します。お互いに不明点がなければ、記名・押印をして契約が成立となります。

建売住宅や中古住宅の場合には、売買契約の時点で手付金を支払います。手付金の金額は、物件価格の5〜10%が一般的です。

なお、注文住宅を建てる場合には、事前審査合格後にまず土地のみの売買契約を結びます。

■⑥住宅の設計(注文住宅のみ)

注文住宅を建てる場合には、土地の売買契約後に住宅の設計を行います。

「リビング階段にしたい」
「家族で使えるウォークインクローゼットが欲しい」
「水まわりは近くに配置したい」
などの希望を伝えて、設計してもらいましょう。

■⑦請負契約・確認申請(注文住宅のみ)

注文住宅の場合は、設計がすべて決まった段階で、施工会社(ハウスメーカーや工務店等)と建築請負契約を結ぶ流れとなります。契約当日に行うことは、土地の売買契約のときと同様で、契約書の読み上げと内容の確認、書類への記名・押印です。

契約が完了すると、施工会社が役場や指定検査機関に建築確認申請を提出します。建築確認申請とは、設計内容が建築基準法などに合致しているかどうかをチェックする手続きです。

■⑧住宅ローン契約

建売住宅の売買契約や注文住宅の請負契約を終えたら、住宅ローンの正式申込(本申込)をし、本審査をおこないましょう。本審査は事前審査よりも必要書類が多く、詳しい審査が行われます。本審査に通ったら、金融機関と住宅ローン契約を締結します。

この「住宅ローン契約」は、正式名称を金銭消費賃貸契約といい、金消契約(きんしょうけいやく)と呼ばれることが多いので、覚えておくとよいでしょう。金消契約を結ぶことで初めて取引が成立し、金融機関からお金を借りられることとなります。

なお、住宅ローンの正式申込には、必要書類として不動産の売買契約書が定められているケースが多いため、順番として建物の契約を終えてからとなります。

■⑨決済をする

住宅ローン契約を締結したら、手付金以外の残金全額を支払い、決済をおこないます。多くの場合は、残金の入金を確認できてから物件の引き渡しを行うため、順番としては引き渡しの前に決済となります。

金融機関から住宅ローンの借入金額が全額振り込まれるので、そのお金を売主に払うことで決済が完了します。事前に手続きをすると、金融機関から売主に直接振り込むこと(代理受領)も可能です。

決済の場には司法書士が立ち会い、残金支払のやり取りを確認すると同時に、物件の所有権移転手続きも行うことが多くなっています。

■⑩引き渡し

残金の決済を終えると、建物の引き渡しとなります。戸建ての購入において、引き渡しとは、鍵の受け渡しをして建物を自由に使えるようになることを指します。

そのため、決済や引っ越しとは異なります。順序としては、引き渡しを受けた後に、新居に引っ越しできるようになります。

引き渡し当日には、書類のやり取りのほか、設備関係や建物の使い方の説明が行われます。

戸建てを購入して入居までにかかる期間

戸建てを購入して入居までにかかる期間

購入から入居までにかかる期間は、建売住宅や注文住宅、中古住宅など、住宅のタイプによって異なります。学区の関係で子どもの入学前に入居したい場合や、転勤などで引っ越しする場合は、かかる期間を考慮して早めに計画を進めることが大切です。

■建売住宅の場合

建売住宅の場合、すでに住宅が完成しているため、残金を決済すれば引き渡しを受けられる状態となっています。

そのため、住宅ローンの本審査や金消契約がスムーズに進めば、物件の契約から入居までは、最短1か月程度で可能です。少し余裕を見るなら、2か月程度で考えておくとよいでしょう。

■注文住宅の場合

注文住宅の場合は、土地の購入から始まり、間取り・設備の打ち合わせ、建築工事などを行う期間があるため、建売住宅よりも長い期間がかかります。

建物の契約から入居までは、半年から8か月程度が目安です。土地を探す期間も含めると、1年以上になることも少なくありません。

また、工事期間は住宅の工法・構造によっても異なります。パネルを組み立てるタイプや、建物の一部を工場で施工するタイプであれば、比較的短期間で建てられますが、昔ながらの木造在来工法などの場合は長い期間を要するかもしれません。詳細な期間は各住宅メーカーや工務店に確認をしましょう。

■中古住宅の場合

中古住宅の場合も建売住宅と同様、物件はすでにあるため、契約から入居までは1〜2か月程度で可能です。

ただし、売主が入居中か退去済みかで異なります。売主が入居中の場合は、売主の引っ越しの都合によって引き渡し可能な時期が変動します。契約から数か月程度かかる場合がありますが、売主の事情によってはそれ以上の期間を要することもあるかもしれません。

できるだけ早く入居したい場合には、物件情報で入居可能時期をチェックしておくとよいでしょう。すでに退去済みの場合には「即入居可」や「即引き渡し可」などの表示があります。

なお、中古住宅をリフォームする場合は、残金決済を終え、物件の引き渡しを受けてから行うのが一般的です。その分の期間もあらかじめ見込んでおきましょう。

後悔しない戸建て購入のコツと注意点

後悔しない戸建て購入のコツと注意点

戸建てを購入する際にはコツや注意点があります。あらかじめ知っておくことで損することを回避できるため、ポイントを押さえておきましょう。

■無理のない返済計画を立てる

住宅ローンで戸建てを購入する際には、ローン返済額から資金計画を立てますが、実際には月々の支払い以外にもかかる費用があります。

たとえば、不動産の購入費用以外にかかるものの一例が、仲介手数料や保険料をはじめとした諸経費(諸費用)です。購入諸費用は一般的に売買価格の3〜10%が目安とされています。

諸経費には、以下のような費用が挙げられます。

  • ・印紙税(各種契約書等の締結の際に納付する税金)
  • ・不動産登録免許税(所有権移転・保存登記や住宅ローン借入の際の抵当権設定登記の際に納付する税金)
  • ・不動産取得税(不動産取得時に納付する都道府県税)
  • ・司法書士手数料
  • ・不動産仲介手数料
  • ・固定資産税・都市計画税等清算金
  • ・住宅ローン関係費用(保証料・事務手数料・団体信用生命保険加入料)
  • ・火災保険料・地震保険料
  • ・(必要に応じて)地鎮祭・上棟式費用
  • ・(特に中古住宅の場合)改装費用
  • ・家具家電の購入費
  • ・引越し費用

また、売買契約時に払う手付金や頭金は、不動産購入代金の一部に充当されますが、基本的には契約時に現金一括で支払いとなります。そのため、上記の諸経費とは別に、手付金・頭金を用意しておく必要があります。

なお、諸経費分も含めて住宅ローンで借りられる場合もありますが、金融機関によっては不動産の売買価格しかローンを組めないことがあります。借り入れする金額や費目によって、住宅ローンを申し込む金融機関を選びましょう。

戸建てやマンションの購入費用についてもっと知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

戸建てやマンション購入の費用相場とは?頭金に必要な費用や諸費用を抑えるコツ

■間取りや周辺環境を確認する

間取りや周辺環境は、ホームページや広告で見るだけでなく、現地でよく確認しましょう。

建売住宅や中古住宅の場合、購入してから間取りを変えることは困難です。住み始めてからギャップを感じないよう、実際の生活を想定してチェックしておかなければなりません。

たとえば、生活や家事動線で不便な箇所はないか、将来的なライフプランの変化にも対応できるような部屋数や間取りになっているか、などを確認しましょう。

また、立地も後からでは変えられません。公共施設や病院、スーパーやコンビニの有無など、日常生活における利便性はチェックしておきたいポイントです。

治安や近隣住民の雰囲気も知っておくと、安心できるでしょう。明るい時間帯だけでなく、夜間の様子を見ておくことも重要です。

■売買契約後のキャンセルは困難

不動産の売買契約を締結した後は、基本的にキャンセルをすることは難しくなります。

キャンセル可能な場合であっても、契約時に支払った手付金は返金されません。民法において「買主は手付金を放棄することで契約を解除できる」と定められているためです。手付金は不動産売買価格の5~10%が一般的であることから、キャンセルすると大きな金額を失うことになってしまいます。

また、買主の一方的な都合でキャンセルする場合は、違約金を求められる可能性も否定できません。売買契約は、購入の意思を固めてから行いましょう。

■減税や控除の適用ができるか調べる

戸建ての購入をする際には、国や自治体による減税や控除などを受けられる場合があります。たとえば、近年では経済産業省によるZEH補助金や、国土交通省によるこどもみらい住宅支援事業、地域型住宅グリーン化事業などの補助金制度がありました。

そのほか、地方自治体で独自の補助金を交付しているケースもあります。ただし、いずれの補助金も一律で受けられるものではなく、建物の性能など一定の条件を満たさなければなりません。

適用を希望する制度があれば、条件に合致するか否かをあらかじめ確認しておきましょう。

■住宅ローンは複数社申し込む

住宅ローンの審査は、一度に複数社に申し込んでおくことがおすすめです。とくに、事前審査は複数社への申し込みが珍しくなく、審査に通ったからといって、必ずその金融機関で契約しなければいけないわけではありません。

一社のみに申し込んだ場合、審査に落ちてから他の金融機関へ申し込むと、その度に審査期間を要するため、入居までの期間が長くなってしまいます。

そのため、住宅ローンを検討している金融機関には一度に申し込みをしておきましょう。同時に複数社申し込むことによって、審査結果を比較することもでき、条件がよいところで契約しやすくなります。

【まとめ】購入する流れを把握してスムーズに進めよう

戸建てを購入する際には、購入から入居までの流れを把握することで、余裕を持って進められます。物件の希望条件を洗い出し、理想の物件を見つけたら、購入申し込みや住宅ローンの審査を進めていきましょう。

建売住宅や中古住宅なら、契約から最短1か月で入居が可能かもしれません。注文住宅の場合は、半年から1年程度を見込んで、計画的に進めていく必要があります。

間取りや立地のほか、設備関係も購入後に入れ替えることは困難なため、内覧の際にチェックしておくとよいでしょう。

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