著者:小沢美奈子
節約術と貯蓄術が得意なファイナンシャルプランナー
寒い冬には、部屋を暖める暖房器具が必要不可欠。一方で、暖房器具のランニングコストが家計の負担となっているケースも多いと思います。そこで本記事では、使用している暖房器具や暖房費用の節約方法について4,800人の方々にアンケートを実施。どのような回答が得られたのか確認してみましょう。
さらに、エアコンや石油ファンヒーター、セラミックファンヒーターなど、各暖房器具の暖房費用や特徴をご紹介します。
みんなの暖房大調査!
4,800人のアンケート結果をチェック!!
数ある暖房器具の中で、一番使用する暖房器具は一体どれでしょうか。
4,800人の方々にアンケートをとってみました。
アンケート結果によると、最も多くの家庭で使用されている暖房器具はダントツで「エアコン」です。次いで「石油ファンヒーター」や「こたつ」が人気でした。また、「電気ストーブ」をメインで使うご家庭もあるようです。
暖房器具ごとの暖房費用はいくら?
ここからは、アンケートでの選択肢にあがっていた暖房器具の暖房費用を確認してみたいと思います。皆さんが普段使っている暖房器具の暖房費用は、いくらでしょうか。ぜひ参考にしてみてください。
暖房器具 |
消費電力等 |
1時間あたりの暖房費用 |
エアコン |
810W |
約20.7円 |
石油ファンヒーター |
大火力時 129W 小火力時 62W |
【電気代と灯油代合計】 大火力時 約45.7円 小火力時 約10.1円 |
こたつ |
600W |
約15.4円 |
セラミックファンヒーター |
温風「強」: 1220W(60Hz) 温風「弱」: 640W(60Hz) |
【温風「強」】 60Hzの場合 約31円 【温風「弱」】 60Hzの場合 約16円 |
電気カーペット |
490W |
約12.5円 |
ガスストーブ |
1時間あたりのガス消費量4.07kW |
約43.5円 |
オイルヒーター |
1500W |
約38.4円 |
パネルヒーター |
180W |
約4.6円 |
■前提・計算手法
-
前提・計算手法
■前提
電気代とは関西電力の従量電灯Aを契約した場合の電力量料金を指し、実際に請求させていただく従量電灯Aの電気料金には、電力量料金のほかに最低料金、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金が含まれます。
- ※関西電力の「従量電灯A」における第2段階(120kWhをこえ300kWhまで)の電力量料金(1kWh あたり25.61円)の料金単価を使用。
■計算手法
・エアコン
◆1時間当たりの電気代 0.810 kWh ×1時間×25.61円=20.7441円(約20.7円)
ダイキン 「うるさらX」(AN364ARS-W)(12畳程度)
・石油ファンヒーター
◆大火力時の1時間当たりの灯油代と電気代の合計 約45.7円
◆小火力時の1時間当たりの灯油代と電気代の合計 約10.1円
【電気代】
◆大火力時の1時間当たりの電気代 0.129 kWh ×1時間×25.61円=3.30369円(約3.3円)
◆小火力時の1時間当たりの電気代 0.062 kWh ×1時間×25.61円=1.58782円(約1.6円)
【灯油代】
1時間あたりの灯油代の目安
◆大火力時 0.360(L/h)×1時間×117.7円(※)/ L=42.372円(約42.4円)
◆小火力時 0.072(L/h)×1時間×117.7円(※)/ L=8.4744円(約8.5円)
- ※灯油代は経済産業省 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」灯油店頭現金価格2024年12月9日時点を使用。(18リットルあたり2,118円)
ダイニチ工業の石油ファンヒーター(LS TYPE FW-3723LS 木造戸建10畳まで/コンクリート集合13畳まで)
・こたつ
◆1時間当たりの電気代 0.600 kWh ×1時間×25.61円(※)=15.366円(約15.4円)
コイズミ 家具調こたつ KTR-34235 600W
・セラミックファンヒーター
温風「強」 1250/1220W(50/60Hz)
50Hzの場合
1時間当たりの電気代 1.250 kWh ×1時間×25.61円(※)=32.0125円(約32円)
60Hzの場合
1時間当たりの電気代 1.220 kWh ×1時間×25.61円(※)=31.2442円(約31.2円)
温風「弱」 670/ 640W(50/60Hz)
50Hzの場合
60Hzの場合
1時間当たりの電気代 0.640 kWh ×1時間×25.61円(※)=16.3904円(約16.4円)
パナソニック「加湿機能付きセラミックファンヒーター DS-FKS1206」
・電気カーペット
1時間当たりの電気代 0.490 kWh ×1時間×25.61円(※)=12.5489円(約12.5円)
パナソニック 電気カーペット(ホットカーペット) DC-2NK 2畳サイズ
・ガスストーブ
電気:使用なし
リンナイ ガス赤外線ストーブ R-852PMS3
1時間あたりのガス代
都市ガス用13Aの場合
4.07(kW)×3.6(MJ/h)×1h÷45(MJ/㎥)×133.66 (㎥)×1h=43.52円(約43.5円)
- ※ガス料金(円/㎥)は関電ガスの「20m³/月をこえ50m³/月まで」の従量料金を使用
- ※1kW=3.6MJ/hとし、ガス発熱量は45MJ/㎥とし計算。
・オイルヒーター
1時間当たりの電気代 1.500 kWh ×1時間×25.61円=38.415円(約38.4円)
デロンギ アミカルド オイルヒーター RHJ35M1015
・パネルヒーター
1時間当たりの電気代 0.180 kWh ×1時間×25.61円=4.6098円(約4.6円)
オーム電機 KIS-PHT01A-G
暖房器具の特徴と暖房費用の節約のポイント
暖房器具ごとの暖房費用を確認したところで、それぞれの特徴と節約のポイントを見ていきましょう。どの暖房器具を使う場合でも、上手に工夫することで暖房費用を抑えることができます。
■エアコン
特徴 |
節約術 |
- ・部屋全体を暖められる
- ・暖房と冷房の両方使える
- ・温度調整ができる
- ・空気が汚れにくい
- ・火災や火傷の心配がない
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- ・サーキュレーターや扇風機を併用する
- ・フィルターを小まめに清掃する
- ・部屋の窓に厚手のカーテンをかける
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■石油ファンヒーター、ガスストーブ
特徴 |
節約術 |
- ・ハイパワーなので、早く部屋全体が暖められる
- ・足元から暖められる
|
- ・厚手のカーテンなどを使用し部屋の断熱対策をする
- ・使用時間を短くする
- ・フィルターを小まめに清掃する
- ・省エネ機能のある商品を選ぶ
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■こたつ
特徴 |
節約術 |
- ・手足など身体を部分的に温められる
- ・温度設定が手軽に変更できる
|
- ・厚手の掛布団を使用する
- ・上掛けを使用する
- ・設定温度を低めにする
|
■セラミックファンヒーター
特徴 |
節約術 |
- ・狭い範囲なら短時間で暖められる
- ・部屋の空気を汚さず済む
|
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■電気カーペット
特徴 |
節約術 |
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- ・分割して温める機能があるものは、人のいない部分は温めないようにする
- ・設定温度を低めにする
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■オイルヒーター
特徴 |
節約術 |
- ・風を出さないため、部屋が均一に暖まる
- ・使用する際の音がほとんどなく、静か
- ・部屋の空気を汚さず済む
|
- ・暖まるまで時間がかかるため、エアコンなどほかの暖房器具と併用する
- ・電源を切ってもしばらく暖かさが続く特性を生かし、使用時間を短くする
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■パネルヒーター
特徴 |
節約術 |
- ・足元など、温めたいところが決まっている場合を短時間で温められる
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- ・自動オフ付の商品を選ぶことで、使いすぎを防げる
- ・設定温度を低くする
|
あなたの冬の暖房費用削減の工夫は?
4,800人のアンケート結果より
みなさんはどのような節約の工夫をしているのでしょうか。アンケートで暖房費を抑えるための「電気代削減のための工夫」について聞いてみました。4,800人の回答者からどのような内容が得られたのでしょうか。確認してみましょう。
最も高い割合は「暖房器具の設定温度を抑える(34.8%)」、2番目は「足元だけ毛布をかける(28.1%)」、3番目は「こまめに暖房器具のスイッチをオフにする(23.4%)」、4番目は「エアコンのフィルターをこまめに掃除する(15.7%)」という回答が得られました。
■意外と知られていない効率的な節電方法
サーキュレーター活用による暖房効率アップ
調査では「サーキュレーターや扇風機を暖房器具と併用して使用する」と回答した人は8.9%にとどまりました。しかし、実はこの方法は非常に効果的です。
なぜなら、暖房時のエアコンから出る温風には上部に滞留する特徴があるため、サーキュレーターなどで室内の空気を循環させることで、より効率的に部屋全体を暖めることができるからです。この方法を取り入れることで、暖房効率が上がり、結果として電気代の削減にもつながります。
時間帯別料金メニューの活用
「電気代の安い夜間に家事を行うなど時間帯別の電力料金プランをうまく利用する」という回答は7.0%でした。各電力会社では、時間帯によって電気料金が割安になる多様なプランを提供しています。まだ活用している人は少ない状況ですが、自身の生活スタイルに合わせてメニューを選択することで、さらなる節電効果が期待できます。
電気料金メニューを見直そう
今一度、電力会社や電気のメニューを見直してみましょう。
たとえば関西電力には、以下のようなご家庭のライフスタイルやニーズに合わせた電気料金メニューが用意されています。
■はぴeタイムR - 夜間が割安なオール電化向けメニュー
ご使用になる季節や時間帯によって電気料金単価が異なるメニューです。 また、家族だんらんの時間帯「リビングタイム」と、割安な「ナイトタイム」 に電気のご使用をシフトしていただく等の工夫で、電気料金を削減することが可能です(※)
https://kepco.jp/ryokin/menu/hapie_r/
- ※契約メニューによって燃料費調整単価および原料費調整単価および上限の有無が異なります。実際のメリット額は、電気・ガスのご使用状況のほか、燃料費調整額・原料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金により変動し、これらの増額により、電気料金、ガス料金が変更前よりも高くなる可能性もあります。
電気料金・ガス料金の計算方法や燃料費調整額・原料費調整額・再生可能エネルギー促進賦課金の最新単価や過去の推移は、こちらからご確認ください。
|
単位 |
料金単価 |
基本 料金 |
最初の10kWまで |
1契約 |
2,409.40 |
10kWをこえる 1kWにつき |
1kW |
416.94 |
電力量 料金 |
デイタイム (昼間時間) |
夏季 |
1kWh |
28.87 |
その他季 |
26.24 |
リビングタイム (生活時間) |
22.80 |
ナイトタイム (夜間時間) |
15.37 |
- ※電気を全く使用されない(使用量が0kWh)場合の基本料金は半額といたします。
- ※「デイタイム」とは平日午前10時~午後5時の時間をいいます。
- ※「リビングタイム」とは平日午前7時~午前10時および午後5時~午後11時の時間ならびに休日扱い日の午前7時~午後11時の時間をいいます。
なお、休日扱い日とは、土曜日、日曜日、「国民の祝日に関する法律」に規定する休日、1月2日、1月3日、4月30日、5月1日、5月2日、12月30日および12月31日をいいます。
- ※「ナイトタイム」とは毎日午後11時~翌日午前7時の時間をいいます。
- ※「夏季」とは毎年7月1日~9月30日の期間をいい、その他の期間を「その他季」といいます。
■withポイントでんき - ポイントをザクザク貯めたい方におすすめ
dポイント・PayPay ポイント・楽天ポイントのうち、お好きなポイントが電気料金の3.5%分たまり、翌年度に1年分をまとめて進呈されるメニューです。(※)
https://kepco.jp/ryokin/menu/with-point/
- ※15kWhまでは一律の最低料金433.41 (円/月)が設定されています。
- ※ポイント付与は、毎年4月分(または、需給開始月分)~3月分の電気料金に応じてたまったポイントを、翌年度5月末までにまとめて進呈するものです。ポイントを進呈する対象の電気料金は、税込料金から再生可能エネルギー発電促進賦課金を除きます。また、1ポイント未満の端数は切り捨てます。
- ※年度途中で解約となった場合、ポイントは進呈されません。
- ※「はぴeみる電」および「はぴeポイントクラブ会員」への登録が必要です。また、希望されるポイント関連情報を指定のウェブサイトを通じて登録する必要がございます。
- ※ポイント提供会社のアカウントの退会・失効等、ポイントの加算対象外となった場合は、ポイントの進呈はされません。
- ※PayPayポイントは出金、譲渡不可です。PayPay/PayPayカード公式ストアでも利用可能です。
- ※「従量電灯A」と「withポイント でんき」で燃料費調整単価が異なり、燃料費調整額の増額が、進呈されるポイントを上回る可能性があります。最新の燃料費調整額はこちらをご確認ください。
■withU-NEXT でんき - エンタメ好きの方におすすめ
電気と動画配信サービス「U-NEXT」を組み合わせて利用したいお客さま向けのメニューです。関西電力の電気(「従量電灯A」「eおとくプラン」「なっトクでんき」)と「U-NEXT」を別々に契約する場合に比べておトクです※。
https://kepco.jp/ryokin/menu/withu-next/
- ※15kWhまでは一律の最低料金(2,357.40円/月)が設定されています。
- ※比較元の「U-NEXTサービス」には「U-NEXT」が「ユーネクスト規約」に定める「無料トライアル」を適用していません。
まとめ
アンケート結果から、各家庭で主に使用されている暖房器具と実践されている費用の節約方法が明らかになりました。暖房費用を効果的に削減するためには、それぞれの暖房器具の特性を理解し、その特徴を活かした使用方法を実践することが重要です。さらに、電力会社の切り替えや電気料金メニューの見直しによっても、コストを抑えることが可能です。これらの方法を組み合わせながら、各家庭の生活スタイルに最適な節約方法を見出していきましょう。