著者:小沢美奈子
節約術と貯蓄術が得意なファイナンシャルプランナー
猛暑が続く日本の夏。涼しく過ごすために欠かせない冷房器具ですが、「どれを選べばいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今年こそ、快適さと節約を両立させたい!そんなあなたのために、約5,000人に聞いたアンケート結果をもとに、人気の冷房器具を紹介します。さらに、電気代を抑えながら涼しさをキープするための節約アイデアもあわせてご紹介。暑さ対策を万全にして、夏を快適に乗り切りましょう!
自宅で一番使う冷房器具は何?
約5,000人の回答を紹介!
暑い夏を快適に過ごすために、どのような冷房器具を使用しているのでしょうか。さらに、夏の電気代を抑えるためにどのような工夫をしているのでしょうか。約5,000人のアンケート結果よりご紹介したいと思います。
■約5,000人の回答結果! エアコンがダントツ
アンケートでは、家庭の中で一番使用頻度の高い冷房器具について尋ねてみました。結果は、「エアコン(66.2%)」がダントツ。2番目に多い回答が「扇風機(16.7%)」、次いで「冷風扇(4.0%)」、「サーキュレーター(3.2%)」の順となっています。
見た目が似ている扇風機とサーキュレーターですが、それぞれどのような特徴や違いがあるのでしょうか?
分かりやすく比較した表を用いてご紹介します。
扇風機 |
サーキュレーター |
柔らかい風を出すという仕組み上、近距離に風を送ることに適している。扇風機の風を浴びて、直接涼をとることもできる |
強い風を出すことができる冷房機器。その仕組みを利用し、部屋の空気を循環させることが可能 |
また冷風扇と冷風機も見た目や名前が似ているため混同されがちですが一般的に次のような特徴や違いがあります。
冷風扇 |
冷風機(スポットクーラー) |
水を冷やして冷たい風を出す仕組みの冷房器具。部屋全体を冷やす効果は期待できないため、部分的に冷やしたい時に使うのが望ましい |
熱交換で熱い空気を外に排出し、冷えた空気を送りだす冷房器具。部分的に冷やしたい場合に使うのに適している |
冷房器具ごとの電気代を確認してみよう
ここからは、アンケートでの選択肢にあがっていた冷房器具の電気代(コスト)を確認してみたいと思います。
冷房機種 |
消費電力等 |
1時間あたりの電気代 |
エアコン |
12畳用 800W |
約20.5円 |
扇風機 |
43W(60Hz) |
約1.1円(60Hz) |
冷風機(スポットクーラー) |
12畳用 1010W (60Hz) |
約25.9円(60Hz) |
サーキュレーター |
14畳用 43W (60Hz) |
約1.1円(60Hz) |
冷風扇 |
47W (60Hz) |
約1.1円(60Hz) |
■前提・計算手法
-
前提・計算手法
【前提】
- ※1:電気代とは関西電力の従量電灯Aを契約した場合の電力量料金を指し、実際に請求させていただく従量電灯Aの電気料金には、最低料金、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金が含まれます。
- ※2:関西電力の「従量電灯A」における第2段階(120kWhをこえ300kWhまで)の電力量料金(1kWh あたり25.61円)の料金単価を使用 。
■計算手法
・エアコン
◆1時間当たりの電気代 0.800 kWh ×1時間×25.61円(※2)=20.488円(約20.5円)
ダイキン 「うるさらX」(AN364ARS-W)(12畳程度)
・扇風機
37W/43W(50/60Hz)
50Hzの場合
1時間当たりの電気代 0.037kWh ×1時間×25.61円(※2)=0.94757円(約0.9円)
60Hzの場合
1時間当たりの電気代 0.043 kWh ×1時間×25.61円(※2)=1.10123円(約1.1円)
アイリスオーヤマ 「リビング扇風機」(LFA-306)
・冷風機(スポットクーラー)
820/1010W (50/60Hz)
50Hzの場合
1時間当たりの電気代 0.820kWh ×1時間×25.61円(※2)=21.0002円(約21円)
60Hzの場合
1時間当たりの電気代 1.010 kWh ×1時間×25.61円(※2)=25.8661円(約25.9円)
アイリスオーヤマ「ポータブルクーラー冷専」(IPA-3523G)
・サーキュレーター
49W/43W (50/60Hz)
50Hzの場合
1時間当たりの電気代 0.049kWh ×1時間×25.61円(※2)=1.25489円(約1.3円)
60Hzの場合
1時間当たりの電気代 0.043 kWh ×1時間×25.61円(※2)=1.10123円(約1.1円)
アイリスオーヤマ「サーキュレーター マカロン型」(PCF-SDC15T)(14畳用)
・冷風扇
42W/47W (50/60Hz)
50Hzの場合
1時間当たりの電気代 0.042kWh ×1時間×25.61円(※2)=1.07562円(約1.1円)
60Hzの場合
1時間当たりの電気代 0.047 kWh ×1時間×25.61円(※2)=1.10123円(約1.1円)
ヤマゼン「冷風扇」(FCT-D408)
「電気代節約の工夫」、約5,000人のアンケート結果から
出た回答は?
さらにアンケートでは「電気代削減のための工夫」についての質問をしています。約5,000人の回答者からどのような内容が得られたのでしょうか。確認してみましょう。
- ※1:アンケート実施にあたる条件は前章と同じ。なお、回答内容は複数選択を可としている
回答を確認する限りでは、エアコンを効率的に利用するため工夫を凝らしている様子が多く見られます。たとえば直射日光を避けることや、扇風機などで冷気を循環させる、あるいはエアコンのエコ機能を活用するなどです。
少数ですが、電気代削減の工夫として「打ち水をする(7.3%)」と回答している方もいます。打ち水の効果について環境省のWebサイトにある「明日からできるECOアクション」には次のように述べられています。
打ち水が暑さ対策に有効な理由、それは「気化熱」にあります。地面に水を撒くと、水が蒸発するときに地面の熱を奪い、温度が下がって涼しく感じるのです。
なお、打ち水は戸建向けの対策に思われがちですが、マンションのコンクリート製のベランダにも効果があります。夏を快適に過ごす工夫として、生活に取り入れてみませんか。
また、アンケートで17.5%の人が「できるだけ冷房器具を使わない」と回答していることから、節約のためにエアコン(冷房)の使用を控えていることが考えられます。しかし、エアコンを使用しないと、熱中症になる可能性が高まりかえって危険となってしまうこともあります。
熱中症が最も多く発生する場所は「住居」です。特に、夜になって外の気温が下がってもエアコンを使わないと室温が下がらず、寝ている間に熱中症になり、命を落とすこともあります。
冷房器具の特徴と電気代節約のポイント
多種多様な冷房器具がある中、ランニングコストを下げるには、それぞれの冷房器具の特徴を知り、節約につながる使い方を意識することが重要です。
冷房器具ごとの特徴と節約ポイントを確認してみましょう。
■エアコン
特徴 |
節約術 |
|
- ・部屋の下にたまりやすい冷気を循環させるために、サーキュレーターや扇風機を併用する
- ・すだれやカーテンなどで日差しを遮る工夫をする
- ・古いエアコンは省エネ性の高いものに買い換える
|
エアコンの適切な設定温度や省エネを考慮した使用方法については、次の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
■扇風機
特徴 |
節約術 |
- ・風向きを調整しやすい
- ・エアコンとの併用で、冷気を循環させることができる
- ・サーキュレーターに比べると、静穏性に優れている
|
- ・DCモーターが搭載されている扇風機を選ぶ(ACモーター搭載の扇風機より消費電力が抑えられる)
- ・タイマー機能を活用することで、長時間の使用を抑えられる
|
■冷風扇
特徴 |
節約術 |
- ・風が当たっている部分のみ、涼しく感じられる
- ・部分的に冷やしたいところを冷やせる
- ・エアコンと違い、室温を下げる効果は低い
|
- ・フィルターを小まめに清掃する
- ・タイマー機能付きの商品を選ぶ
- ・部屋全体を冷やすのではなく、ピンポイントで冷やしたい時に使用するようにする
|
■サーキュレーター
特徴 |
節約術 |
- ・換気や空気の循環に適している
- ・風向きを調整しやすい
- ・エアコンとの併用で、冷気を循環させることができる
- ・扇風機より運転音が大きい傾向にある
|
- ・DCモーターが搭載されているサーキュレーターを選ぶ(ACモーター搭載の扇風機より消費電力が抑えられるため)
- ・タイマー機能を活用することで、長時間の使用を抑えられる
|
■冷風機(スポットクーラー)
特徴 |
節約術 |
- ・エアコンと違い工事不要で手軽に設置
- ・冷風扇より広い範囲を冷やせる
- ・エアコンに比べると室温を下げる効果は低い
- ・狭い範囲を冷やすのに向いている
|
- ・フィルターを小まめに清掃する
- ・タイマー機能付きの商品を選ぶ
- ・サーキュレーターを併用し空気を循環させることで冷房効果を高める
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電気料金メニューをライフスタイルに合ったメニューにしよう
電力会社を変更するだけでなく、自分のライフスタイルや好みに合った電気料金メニューを選ぶことで、より自分に適したメニューを利用できる場合もあります。たとえば関西電力には、以下のような特徴的な電気料金メニューが用意されています。
「withU-NEXTでんき」は、電気と動画配信サービス「U-NEXT」を組み合わせて利用したい(またはすでに利用している)お客さま向けのメニューです。「U-NEXT」は、豊富な動画コンテンツが見放題であるほか、雑誌や漫画などのコンテンツも充実しているサービスです。このプランは、エンターテインメントを楽しみたい方に適しています。
- ※15kWhまでは一律の最低料金(2,357.40円/月)が設定されています。
- ※「U-NEXT」が提供する有料会員制サービスを既にご契約中のお客さまにも、本メニューをお申込みいただくことで、「U-NEXT」サービスのID・PASSが新規で発行されます。
- ※現在ご利用中のIDについては、お客さまご自身で「U-NEXT」のWEBサイトにて解約手続きの必要があります。解約手続きを行わない場合は、現在ご利用中のIDにかかる料金も継続して請求されることとなります。
- ※解約時に保有していた「U-NEXT」ポイントや購入済みコンテンツは、解約後も解約されたID・PASSを用いて「U-NEXT」のWEBサイトにログインしていただくことでご利用いただけます(有効期限のあるものは有効期限内に限ります)。
「withポイントでんき」は、dポイント・PayPayポイント・楽天ポイントのうち、好きなポイントを電気料金の3.5%分ためられるメニューです。ポイントは翌年度に1年分をまとめて進呈されます。日頃からポイントを活用している方や、ポイントを効率よく貯めたい方に適したプランです。
- ※15kWhまでは、一律の最低料金(433.41円/月)が設定されています。
- ※毎年4月分(または、需給開始月分)~3月分の電気料金に応じてたまったポイントを、翌年度5月末までに1年分をまとめて進呈するものです。契約期間満了時点(毎年3月31日時点)で本メニューで契約中のお客さまが対象です。年度途中で解約となった場合、ポイントは進呈されません。
- ※電気の需給開始後に、「はぴeみる電」および「はぴeポイントクラブ会員」に登録いただき、ポイント進呈の対象となる年度の翌年度4月30日までに、希望されるポイント関連情報を指定のウェブサイトを通じて登録する必要があります。毎年度3月に当社より「はぴeみる電」にご登録いただいたメールアドレスに必要な情報をご登録いただく専用フォームを送付します。
- ※各種登録漏れ、ポイント提供会社のアカウントの退会・失効、ポイント提供会社が定める関連の規約に基づきポイントの加算対象外となった場合は、ポイントの進呈はされません。
- ※ポイントを算定する対象の電気料金は、ご請求する税込料金から再生可能エネルギー発電促進賦課金を除きます。また、1ポイント未満の端数は切り捨てます。
- ※PayPayポイントは出金、譲渡不可です。PayPay/PayPayカード公式ストアでも利用可能です。
- ※「従量電灯A」と「withポイント でんき」で燃料費調整単価が異なり、燃料費調整額の増額が、進呈されるポイントを上回る可能性があります。最新の燃料費調整額はこちらをご確認ください。
まとめ
約5,000人のアンケート結果より、一番多く使用している冷房器具や電気代の節約方法を確認することができました。ただし、節約ばかりに重きを置かず、熱中症にならないための適切な冷房器具の使用を考えることも大切です。一方で電力会社や電気料金メニューを変更することも肝心です。ご家庭に合った節約方法を取り入れながら、夏を快適に過ごすための方法を見つけてみてください。