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「ガス漏れかも」と思ったら何をすべき?
ガス漏れの対処法と予防策を解説

「ガス漏れかも」と思ったら何をすべき?ガス漏れの対処法と予防策を解説

料理やお風呂、暖房など、ガスは私たちの日常にあるものです。スイッチを押すだけで使えるという手軽さが魅力ですが、一方で誤使用や不注意によってガス漏れや火災、一酸化炭素中毒などが生じる危険もあります。ガス機器を安全に使用するためには、ガス漏れのリスクや対処法についても知っておかなければなりません。

この記事では、「ガス漏れかも?」と思ったときにまず実践したい6つの行動のほか、ガス漏れの原因や正しい対処法、ガス機器の劣化サインなどを詳しくご紹介します。

「ガス漏れかも?」と思ったら、まず実践すべきこと

  • ●ガス警報器が作動しているとき
  • ●ガス臭いと感じるとき
  • ●ガス使用時に吐き気や頭痛などの体調不良が生じたとき

上記のように、ガス使用時にいつもと違う異常が生じたときにはガス漏れが発生している可能性があります。

関電ガスをはじめとする「都市ガス」の原料は有害物質の含まれていない天然ガスで、もし吸い込んだとしても中毒症状は引き起こされません。しかし、ガス機器の使用中に換気不足などによって不完全燃焼状態となった場合は、人体に悪影響を及ぼす一酸化炭素(CO)が発生します。

いずれにせよ、ガス漏れが生じている可能性があるときはいち早い対処が必要です。被害を最小限にするために、次の6つの行動を実践してください。

■①ガスの使用をやめて火を使わない

まずは、ガスの広がりを防ぐために、給湯器やコンロといったガス機器の使用をやめましょう。ガスに引火する危険のあるライターやマッチ、タバコ、ストーブ、ろうそくなどの火気の使用も厳禁です。

あわせて注意したいのが、換気扇や電灯、扇風機といった家電や照明器具のスイッチ(電源)に触れないことです。ガス漏れが生じると「換気扇や扇風機を回して空気を外に出さなければ」「電気をつけて状況を確認しよう」と思ってしまいますが、スイッチのオンオフやコンセントの抜き差しによるごくわずかな火花が着火源となるケースもあります。ガスの使用をやめたら、落ち着いて次の行動に移りましょう。

■②窓を開ける

室内に充満したガスを放出するために、窓を最低でも2つ以上開けて換気しましょう。放出口を増やすだけでなく、2つ以上の窓を開けることで空気循環の流れを作れます。近くにある窓ではなく、部屋の対角にある窓を開けるとより効率的に換気ができるでしょう。もし窓が1つしかない部屋の場合は、ドアや玄関を開けたうえで、うちわなどを活用して部屋の空気を窓の外へ流してください。

窓を開けての換気には、引火による爆発や火災の防止だけでなく、酸素欠乏症や一酸化炭素中毒を防ぐ目的もあります。

■③ガス栓・器具栓を閉める

ガスを使っていない状態でも、ガス栓や器具栓からガスが漏れ出す可能性があります。所有する機器のガス栓、器具栓ごと閉めましょう。一般的なタイプであればガス栓上部にあるつまみを時計まわりにひねると閉められますが、なかにはヒューズ付きガス栓や壁埋め込み型ガス栓のような元栓のないタイプも存在します。緊急時に素早く対応できるよう、使用機器の説明書は日頃から読んでおきましょう。

■④メーター栓を閉める

ガス栓と器具栓を閉めたあとは、配管の大元となるメーターガス栓も閉めましょう。メーターガス栓はガスメーターの左配管上部にあります。

ガスメーターの設置場所は住居によって異なりますが、マンションやアパートなどの集合住宅では玄関の脇や上部、共有廊下、メーターボックス内など、戸建ての場合は玄関や駐車場、浴室付近の壁際に設置されているのが一般的です。すぐにメーター栓を閉めに行けるよう、設置場所は入居時に必ず把握しておきましょう。

■⑤ガス臭い場所から離れる

4つの予防策を講じたら、自分や家族の安全を確保するためにガス臭い場所からできるだけ離れましょう。心配のあまりその場にとどまりたくなりますが、ガス漏れが発生した空間に長時間いると酸素欠乏症や一酸化炭素中毒のリスクが上がります。ガス漏れが確実なときや爆発・火災の危険性が伴う場合は、隣室や隣家にも声がけしましょう。

■⑥一般ガス導管事業者に連絡する

身の安全を確保でき次第、すぐに居住地域の一般ガス導管事業者などに連絡して適切な指示を仰ぎましょう。①名前、②近所にある目標物、③住所、④その場の状況や講じた対策などを的確に伝えると、やりとりがスムーズです。状況によっては現場まで来て点検してくれるケースもあります。関西電力(ガス小売事業者)と一般ガス導管事業者では、安全なガス提供のために「365日・24時間保安体制」をとっています。ガス漏れやガス事故などの緊急時に備えて、係員と緊急車が常時待機しているので、もしものときも安心です。緊急保安連絡先は居住地域によって異なるため、こちらのページから確認してください。

日常生活からできる、ガス漏れ予防策

日常生活からできる、ガス漏れ予防策

ガス漏れが起きたときの対処はもちろん、なにより日頃から予防策を講じて「ガス漏れしない環境」をつくることが大切です。ここからは、日常生活の中で実践できるガス漏れ予防策を3つご紹介します。

■ガスの使用時は換気をする

換気不足によって空気の取り込みが悪くなると、ガスの不完全燃焼を起こし、一酸化炭素を発生させる可能性があります。コンロや給湯器など、ガス機器を使用するときには必ず換気をしましょう。安全装置が付いている機器であっても同様です。窓を開けるのはもちろん、換気扇やレンジフードを使うのも有効ですが、油やほこりなどが付着していると正常に回転できず換気機能が低下してしまいます。ガス機器の点検とあわせて、換気扇やレンジフードの掃除も習慣にしましょう。

ガス開放式小型湯沸器のように、燃焼時に大量の空気を要する機器は一層の注意が必要です。小型湯沸器をお湯はりや洗髪に使用すると、換気を行っても一酸化炭素中毒を引き起こす可能性があります。いずれのガス機器においても、説明書をよく読んだうえで正しく使用しましょう。

■ガス警報器を設置する

天然ガスは本来無臭ですが、ガス漏れにいち早く気づけるように臭いがつけられています。とはいえ、微量の場合は気付けないことも多く、知らぬ間にガス漏れが進行するケースもあるでしょう。さらに恐ろしいのが、無色・無臭の一酸化炭素です。一酸化炭素は非常に毒性が強く、軽度の場合でも頭痛やめまい、吐き気を引き起こし、濃度と吸入時間によっては数分で死に至る危険すらあります。

こうしたガス漏れなどの早期発見に貢献するのが、「ガス警報器」です。警報音やランプなどによってガス漏れを知らせてくれるので、日中はもちろん、就寝中の夜間や明け方も安心です。ガス警報器にはさまざまな種類がありますが、不完全燃焼による一酸化炭素発生も知らせてくれるCO検知機能や住宅用火災(煙式)感知付きのモデルがおすすめです。

■ガス機器を定期的に交換する

ガス機器にはそれぞれ標準使用期間(寿命)が設けられており、コンロや給湯器、浴室暖房乾燥機、ガスファンヒーターの場合は一般的に使用開始から10年が目安となります。使用頻度や環境などによっても前後しますが、10年以上経過している機器は、劣化した配管や元栓からガス漏れが生じる恐れがあります。使い始めて間もない場合は修理を、標準使用期間に近いもしくは超過している場合は交換するのが賢明です。

正しいタイミングで交換できるよう、各ガス機器の劣化サインもあわせてチェックしておきましょう。以下の項目にひとつでも当てはまる場合は、安全のために点検をしてみてください。

<ガスコンロの劣化サイン>

  • ●使用時に焦げた臭いやガスのような臭いがする
  • ●火がうまく点かない
  • ●不完全燃焼状態の赤い炎が出る

<給湯機器の劣化サイン>

  • ●普段とは違う異音がする
  • ●水漏れがある
  • ●給湯器本体に黒ずみや錆がある
  • ●設定温度まで温まらない、途中でぬるくなる、温度が安定しない
  • ●リモコン操作ができない、エラー表示が出る

<ガス浴室暖房乾燥機の劣化サイン>

  • ●リモコンにエラーが表示される、操作できないときがある
  • ●普段とは違う異音がする
  • ●本体から水漏れがある
  • ●本体から水漏れがある
  • ●能力(風量、温度)が安定しない

<ガスファンヒーターの劣化サイン>

  • ●点火時に異音がする、大きな音が鳴る
  • ●運転中に振動している
  • ●点火まで時間がかかる
  • ●本体の一部が変色している
  • ●エラー表示が出る
  • ●運転中、本体が触れられないほど熱くなる

ガス漏れに注意すべきガス機器

万が一ガス漏れが起きたときに素早く対処するために、ガス漏れの原因になり得る機器についても把握しておきましょう。ガス漏れに注意すべきガス機器としては、ガスコンロ、給湯器、ガスファンヒーター・ストーブが挙げられます。安全に使用するためのポイントもチェックしていきましょう。

■ガスコンロ

季節を問わず、ほぼ毎日使用するガスコンロは経年劣化しやすいガス機器のひとつです。調理に使うという特性上、油や焦げによる腐食や破損が生じやすく、傷んだ箇所からガスが漏れる恐れがあります。定期的な点検はもちろん、標準使用期間内の交換を心がけましょう。

<安全に使用するためのポイント>

  • ●油脂への着火を防ぐためにバーナーやグリルをこまめに掃除する
  • ●ガス通路部の腐食を招くので煮こぼれしないよう注意する
  • ●バーナーの目詰まりが取れない場合は部品を交換する
  • ●コンロの上方1m、周囲15cmには物を置かない

■給湯器

給湯器につながるゴム管やパッキンは経年劣化しやすく、破損箇所からガスが漏れ出す可能性があります。標準使用期間は10年ですが、使用頻度が高いファミリー世帯や雨風の影響を受けやすい場所に設置されている家庭、潮風に当たりやすい沿岸部や融雪剤を使用する寒冷地区では劣化のスピードが早くなります。

また、排気筒や排気管に落ち葉や小さなゴミ、ほこり、虫の死骸、泥や水などが詰まって空気の循環が悪くなると、燃焼不良につながります。機能の低下だけでなく、給湯器本体の劣化や破損が生じていないかも定期的に確認しましょう。

<安全に使用するためのポイント>

  • ●排気筒や排気管のズレ、詰まりがないかをこまめに点検する
  • ●外装塗装やリフォーム工事など、一時的に養生をしている場合は機器を稼働させない
  • ●排気できなくなるため給湯器周辺を囲わない
  • ●出湯管の先にゴム管を装着しない

■ガスファンヒーター・ストーブ

冬場の必需品であるガスファンヒーターやストーブでは、ガスコードの接続不良や経年劣化によってガス漏れが生じます。接続するコードを誤るとガスが漏れ出してしまうため、必ず機器にあった「ガスコード」を使用しましょう。火災や爆発などの大きな事故を避けるため、使用方法はもちろん、保管の仕方にも注意が必要です。

また、ガスファンヒーターを長時間連続して使用するときには必ず換気をしてください。1時間に1〜2回、1回あたり1分を目安に、窓を開けたり換気扇を回したりしましょう。

<安全に使用するためのポイント>

  • ●燃焼不良を防ぐために、ホースやフィルターは1ヶ月に1度のペースで掃除する
  • ●機器の劣化につながるため、高温多湿下では保管しない
  • ●必ずガスコードを使用し、正しい手順で接続する
  • ●ガスコードとガス栓の接続部に異物がないかを確認する
  • ●使用時は1時間おきに窓を開けて換気をする
  • ●本体50cm〜1mほどの距離には物を置かない

■自己判断は禁物!不安がある場合はプロ(メーカー)に相談しよう

それぞれのガス機器に標準使用期間が設けられていますが、使用頻度や環境などによって大きく変化します。「違和感があるけどまだ買って数年だし……」「ガスの臭いはあまりしないから大丈夫かな」など、自己判断して使用を続けると予期せぬ事故を引き起こすかもしれません。使用するガス機器の状態に不安がある場合は、メーカーや販売店に必ず相談しましょう。

【まとめ】
ガス漏れのリスクを知ったうえでガス機器を使おう

ガスは私たちの生活を豊かにしてくれる貴重なエネルギー源ですが、誤使用や不注意を続けると、火災や爆発、一酸化炭素中毒といった大きな事故につながります。ガスコンロや給湯器排気筒の目詰まり、ファンヒーターの接続不良など、ガス漏れの原因を見落とさないように、こまめに点検をしましょう。とはいえ、どれほど気をつけていても破損や劣化によって知らぬ間にガス漏れが生じる可能性はあります。ガス警報器やCO警報器をうまく活用して、安全にガス機器を使用しましょう。

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