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ガス自由化とは?
その目的や結果、ガス会社の変更方法を解説

ガス自由化とは?その目的や結果、ガス会社の変更方法を解説

近年はガスの自由化によって、消費者がガス会社を自由に選択できるようになりました。これにより、今までよりもガス料金が安くなったり、バラエティに富んだサービスを利用できるようになったりした方も増えたのではないでしょうか。

しかし、そもそもガス自由化とは何なのか詳しく知らないまま制度を利用していたり、よく分からず従来のガス会社を利用し続けたりしている方もいるかもしれません。

そこで本記事ではガス自由化の目的や導入による結果、ガス会社の変更方法などについて解説します。

ガス自由化とは

ガス自由化とは、居住地域によって決められていたガス会社だけでなく、地域のガス会社以外の事業者からも消費者が自由に選べるようになったことをいいます。

これまでの制度では、工場や病院といった企業向けのガスについてはすでに自由化がされていましたし、家庭向けプロパンガスについても自由に契約先を決められました。ただ、都市ガスについては一部の都市ガス会社が各地域でそれぞれ独占的に供給を行っていたため、価格が高止まりしている状態でした。

しかし、ガスの自由化により、それまで一部の都市ガス会社しか利用できなかった導管を、新規参入会社が利用して消費者にガスを供給できるようになったのです。その結果、ガス自由化以降、消費者は多くの選択肢からガス会社を選べるようになりました。

■ガス自由化の現状

ガス自由化以降は、42社が都市ガス事業に参入し、一般家庭に供給しています。近畿地方では、関西電力、ガスパル、東京電力エナジーパートナーなど15社が参入しています(2023年8月現在)。

ガス自由化の目的

ガス料金を抑える方法

都市ガスの自由化は、欧米を中心に進められているエネルギー市場の自由化にならって行われています。日本で都市ガスの自由化が推進されるようになった主な狙いを解説します。

■事業者間の競争によるガス料金の抑制

都市ガスの自由化前は、あらかじめ供給にかかるすべての費用に一定の利益を上乗せされた金額がガス料金として課されていました。

ガス自由化より新規参入する会社が増えて、価格競争が発生することでガス料金の値下がりが期待されました。

■ガスの安定供給体制の確立

国は、ガス自由化を機に全てのガス導管事業者に導管の相互接続を促進する努力を義務付けました。その背景には、国内の導管網の整備状況が低く、都市ガスの普及率が約5〜6割に留まっていたことが挙げられます。

ガスの自由化を行えば、ガス導管網が整備されやすくなり、より多くの消費者にガスを安定供給できるようになります。また、災害時のガス供給を強靱にできるといったメリットもあります。

ガスの自由化前は一部のガス会社しか導管の使用ができなかったため、公平ではありませんでした。そこで、国は、東京ガス・大阪ガス・東邦ガスといった導管を多く所有する3社に対して、ガス製造事業・ガス小売事業と、ガス導管事業の兼業を原則禁止にしました。

つまり、新規参入する事業者も既存の都市ガス事業者の導管を使えるようになったのです。

■サービスの拡充

ガス自由化を促進することで、ガス導管網の新規整備だけでなく、さまざまなニーズを引き出すサービスや、燃料電池やコージェネレーション(熱電併給)など、新たな利用法を提案できる企業が参入しやすくなります。

新規参入会社が増えると、各社ともさまざまなプランを打ち出すようになります。各社の競争によって料金が値下げされるだけでなく、さまざまなサービスの拡充につながるので、消費者はお得に都市ガスを利用できるようになると期待されるのです。

ガス自由化でできるようになったこと

ガス料金を抑える方法

ガス自由化がスタートした背景が分かったところで、消費者にとってガス自由化によりどのようなことが出来るようになったのか詳しく紹介します。

■ガスを安く利用できる

ガスの自由化によりさまざまな企業が都市ガス事業者として新規参入できるようになったため、競争が生まれて、ガスを安く利用できるようになりました。

実際に、都市ガスの自由化が近づいてきたタイミングで、最初に関電ガスが「なっトクプラン」を打ち出して料金の値下げを発表しています。しかし、大阪ガスも値下げを発表したことで、関電ガスは再度割引率を拡大したプランを発表しました。

当初の狙い通り、各社の競争によって、これまでよりもお得に利用できる料金プランが増えたのです。

■ニーズにあったサービスを利用できる

料金の値下げ以外の点についても、特徴的なサービスが提供されるようになりました。

関電ガスは、ガスの利用料金に応じて、ポイントが貯まるサービスの提供を開始しました。さらに貯まったポイントは、料金の支払いやアイテムに交換できます。ガスの自由化により、消費者のニーズにあったサービスが用意されるようになったのです。

ガス自由化により提供会社を変更する方法

ここからは、現在利用している都市ガスの提供会社を変更する方法について解説します。都市ガスの会社を変更しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

■都市ガスから別の都市ガスへ切り替える場合

都市ガスから都市ガスに切り替える場合、新規に契約したい会社にインターネットもしくは電話などで連絡するだけで手続きが完了します。それまで使用していた導管やガスメーターはそのまま使うので取り換える必要はありません。

手続きの際は、使用番号、ガス供給地点特定番号、契約者名が必要です。現在契約しているガス会社の「ガスご使用量のお知らせ」を準備しましょう。なお、現在使用しているガス会社の解約は契約先のガス会社が行います。

■プロパンガスから都市ガスに切り替える場合

プロパンガスから都市ガスに切り替えるためには、現在居住している自宅が都市ガスの供給エリア内であることが条件です。加えて、自宅へ都市ガスの導管を引き込めるか、確認する必要があります。

導管の引き込みには、工事費用が発生します。工事費用は、自宅周辺のガス管の敷設状況によって変わってきます。事前に見積もりを依頼した上で検討しましょう。

最適なガス会社を選ぶ時のポイント

ガス代を抑えるためには、最適なガス会社を選ぶ必要があります。ここからはガス会社を選ぶ時のポイントについて紹介します。

■現状のガス料金を把握する

ガス会社を選ぶ前にやるべきことは、現状のガス料金を明細で確認しておくことです。ガス料金は基本料金と従量料金を合計した金額で決まります。

関電ガスのなっトクプランの例を挙げると、基本料金と従量料金の単価は以下の通りです。

ガス料金単価

(税込、円)

ガスご使用量 料金区分 料金単価 (参考)原料費
調整後料金単価
0m³/月から
20m³/月まで
基本料金 735.13 735.13
従量料金 154.00 171.82
20m³/月をこえ
50m³/月まで
基本料金 1,223.46 1,223.46
従量料金 129.65 147.47
50m³/月をこえ
100m³/月まで
基本料金 1,227.82 1,227.82
従量料金 129.52 147.34
100m³/月をこえ
200m³/月まで
基本料金 1,631.90 1,631.90
従量料金 125.45 143.27
200m³/月をこえ
350m³/月まで
基本料金 2,951.03 2,951.03
従量料金 118.84 136.66
350m³/月をこえ
500m³/月まで
基本料金 3,251.86 3,251.86
従量料金 117.96 135.78
500m³/月をこえ
1000m³/月まで
基本料金 6,165.95 6,165.95
従量料金 112.11 129.93
1000m³/月を
こえる場合
基本料金 6,472.23 6,472.23
従量料金 111.81 129.63
  • ※上記金額には、消費税等相当額を含みます。
  • ※原料費調整単価は2025年12月分17.82円/m³を適用しています。

特に、給湯温度を高く設定したり、お湯の使用量が増えたりすることの多い冬は、ガス料金が高くなりやすいので注意が必要です。

■ガスの使用量を確認する

ガス会社やプランによっては、ガスの使用量が多いほど割安になるケースがあるため、ガスの使用量を確認しましょう。ガスの使用量は検針票かパソコンやスマホから確認できますので、契約する前にチェックするとよいでしょう。

  • 注意事項
    • ※以下の場合は、関電ガス「なっトクプラン」が他社の専用メニューよりも割高になることがありますので、ご注意ください。
      • ・エコウィル・エネファーム・ガス床暖房・家庭用空調機器(ガスエンジンヒートポンプ方式およびガス吸収式の機器)等のガス機器をご使用されている場合
      • ・インターネット等のセット割引が適用された他社の専用メニューでご契約されている場合

ガス自由化になったからこそ、
自分に合ったガス会社を選ぼう

都市ガスの自由化により、関東地方や近畿地方などの大都市圏では、ガス会社による競争が激化しました。他社とは異なるサービスを提供したりするガス会社も増えています。

関電ガスでは、加入時期によっては、お得なキャンペーンを開催しています。関電ガスへの乗り換えを検討している方は、キャンペーンページをご確認のうえで利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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