「引越し料金が安い時期はいつ?」「自分にとってどの時期に引越しをするのが最適なのかわからない」と、引越しのタイミングに悩んでいる人も多いのではないでしょうか
引越し料金が安い時期はお得に引越しができるというメリットがありますが、安さだけを理由に引越し時期を決めてしまうと、結果として後悔するケースも少なくありません。引越しする時期による料金の差や、引越しをするのに最適な時期について解説します。
引越し料金が高い時期と安い時期
引越しを検討するにあたり、引越し料金の相場は時期によって大きく変動することを理解しておくことが大切です。引越し件数が多い時期を「繁忙期」、少ないときを「閑散期(オフシーズン)」とすると、同じ条件の引越しであっても繁忙期と閑散期では料金が2倍以上に跳ね上がるケースも少なくありません。
また、引越し業者によっても料金が異なるため、複数社を比較検討するように心がけましょう。
■時期によってどのくらい引越し料金に差があるのか
「繁忙期」と「閑散期」と呼ばれる時期の他にも、「単身者」と「ファミリー世帯」によって引越し料金の相場が異なります。
<引越し料金の一例>
- ・繁忙期(2〜4月)※同じ市区町村での引越しの場合
荷物が少ない単身者の場合:4.5万円程度
ファミリーの場合(4人家族):13万円程度
- ・閑散期(5〜1月)※同じ市区町村での引越しの場合
荷物が少ない単身者の場合:3.5万円程度
ファミリーの場合(4人家族):10万円程度
スケジュールに余裕があり、なるべく費用を抑えたいと考えるのならば、時期を見定めましょう。
■賃貸物件の家賃や初期費用が安くなる時期
引越し料金だけでなく、賃貸物件の家賃や初期費用も時期によって相場が異なります。一般的には、引越し料金と同様の3月がピークに。これは、新生活を控えた学生や社会人が多くなることにより、賃貸物件の需要が最も高まるためです。
ピークがだんだんと落ち着き始めたゴールデンウィーク明けあたりから、家賃を下げる大家さんが現れます。さらに、引越しの需要が少なくなる8〜12月は家賃の相場が安くなるだけでなく、敷金・礼金など初期費用も下がる傾向にあります。
■「平日」と「土日祝」、「午前」と「午後」で引越し料金の差はあるのか
「平日」か「土日祝」かによって、引越し料金に差があるかどうかについては、単身者の引越しや、近隣への引越しをするファミリーであればそこまで差は大きくないですが、長距離の引越しでは、「土日祝」は「平日」よりも数万円単位で高くなります。さらに月末や大型連休などは依頼が集中し、料金が割高になりがちです。
また、作業開始時間を指定した際には、午前か午後かで一概にどちらが安いとは言えないようです。午前中は当日の計画が立てやすいことから人気ですが、午後の時間帯を指定しても午前と価格が変わらない場合があります。
当日のスケジュールに余裕があれば、作業開始時間を指定しないフリープランを選ぶと良いでしょう。時間が読めないというデメリットはありますが、通常と比べると安くなります。
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それぞれ引越しの時期におすすめの人
引越し料金は時期によって差がありますが、人それぞれ住みたい家の条件によって、引越しに最適な時期はまた異なります。そこで、どの時期がどんな人におすすめなのかまとめてみました。
■1~4月
社会人や大学生など、春からの新生活をスタートさせたい人には、おすすめと言うよりも、どうしてもこの時期になってしまうでしょう。ただ、この時期は生活の変化で部屋を退去する人が多いため、希望の条件を満たした物件が見つかりやすくなっています。
希望の条件が見つかりやすくなるため、住む家にこだわりがあり、もっといい部屋に引越ししたいと考えている人には、この時期を狙って引越しの準備をすることをおすすめします。一方で、引越し料金は割高になる他、好条件の物件の競争率は高いでしょう。また、家賃交渉が難しい可能性もあります。
■5~8月
引越し業者にとってはオフシーズンに該当します。引越しの需要が低くなるため、スケジュールの調整がしやすく柔軟なサービスが受けられるほか、費用も抑えられます。安く引越しをしたい人にこの時期はおすすめです。
また、空き家物件を減らす目的として、家賃の値引きや、入居から一定期間の家賃が無料となる「フリーレント」の交渉などが通りやすいのも魅力でしょう。ただし、時期的には売れ残っている物件も多く、理想の引越し先を見つけられない可能性があるのが難点です。
■9~10月
1~4月の繁忙期の次に物件がたくさんある時期であり、余裕を持って物件探しをしたい人におすすめです。春先の繁忙期に比べても競争率が低く、比較的物件を探しやすいといえるでしょう。シルバーウィークなどでまとまった休みがとりやすく、引越しの作業がはかどるといったメリットもあります。
しかし、9月は企業の人事異動が多く、引越しをする社会人が一定数いるため、単身やカップルで転居をしようと考える人も少なくありません。春先の繁忙期ほどではありませんが、需要が高まることから、引越し料金が割高になる傾向もあります。
■11~12月
引越し料金や物件の初期費用を安く抑えたい人におすすめです。9月の人事異動がひと段落して需要が落ち着くため、10月よりも引越し料金が安くなります。また、引越し業者の人員に余裕があるためベテランのスタッフが割り振られる可能性が高くなり、スムーズに引越作業が進むでしょう。
ただ、引越しを検討する人が少ないということは、退去する人も少なく、引越し先の選択肢が狭まってしまうでしょう。また、12月下旬になると引越し料金が割高になるため注意が必要です。
オフシーズンに引越しをするメリット・デメリット
ここからは引越し閑散期であるオフシーズンに引越しをするメリットとデメリットについて見ていきましょう。
■オフシーズンに引越しをするメリット
オフシーズンに引越しをするメリットは以下の2つです。
・引越し料金が安くなる
引越しの需要が少ないオフシーズンは、なんといっても繁忙期に比べて引越し料金の相場が安くなります。また、引越し業者も契約を確保したいと考えるため、値段交渉が比較的通りやすいでしょう。平日割引プランやキャンペーンが充実している引越し業者も多く、お得に引越しできる可能性が高くなります。
・日程調整がしやすい
依頼が殺到していないことから引越し業者にも余裕があるため、日程の希望が通りやすく、親身に対応してもらえることが期待できます。ただ、どの時期であれ月末は混むことが多いでしょう。月の初めから半ばにかけてなら比較的日程調整がしやすくなります。
■オフシーズンに引越しをするデメリット
一方で、オフシーズンに引越しをするデメリットは以下の2つです。
・物件数が少ない
物件数が少ないことが難点です。新築物件などの良い条件や希望の引越し先が見つかる可能性が低くなるでしょう。物件の中には、条件が悪くて売れ残っているものもあるため、良い物件を見極めることが大切です。
・土日の引越し料金は安くならない場合も
繁忙期よりも相場は安い一方で、依頼の多い土日や月末にはあまり料金が下がらない傾向もあります。また、作業開始時間を指定することで料金が割増になるケースもあるでしょう。
物件探しをするタイミングについて
引越しの時期によってあらゆる点で差が生じるように、物件探しをするタイミングによっても意識しておくべきポイントは異なります。
■引越し予定の2か月前から探し始めよう
では、引越し予定のどのくらい前から物件を探せば良いのでしょうか。まず物件を探す前には、次の項目について自分の条件を明確にしておきましょう。
- ・入居時期
- ・家賃の予算
- ・住みたい場所
- ・間取り
希望条件がある程度決まったところで、住みたい場所の大体の相場を把握しましょう。その中から、家賃や間取り、周辺環境などをチェックしていきます。相場などは賃貸サイトで調べたり、不動産業者に出向き、気になる物件を実際に内見したりしながら確認しましょう。
ただし、賃貸物件は仮押さえができないため、引越しの予定日よりも前に見つけたとしても基本的にキープできません。引越し予定の時期が決まっている場合であっても早まらず、不動産業者に入居希望時期を伝えた上で、ベストなタイミングで探し始めましょう。
一般的には2か月前くらいから具体的な物件を探し始めるとスムーズに入居しやすくなります。
■自分に合った物件探しの時期を知ろう
目的によって物件探しにも最適なタイミングがあります。
・1〜3月:新生活を控えている人、住まいにこだわりたい人
年が明けると物件が多く出回るため、新生活を控える人だけでなく、こだわりの物件に住みたい人にもおすすめです。一方で、あらゆる費用が高くなりがちな点も考慮しましょう。
・4〜5月もしくは9〜10月:カップルやファミリー
ゴールデンウィークやシルバーウィークの時期は、カップルやファミリータイプの新築物件の提供が増えます。まとまった休みを利用して準備ができるのも魅力でしょう。
・6〜8月:とにかく引越し費用を抑えたい人
6~8月は費用を抑えたい人におすすめです。この時期は引越しの需要が少ないため、物件数が少ないことは難点ですが、キャンペーンも多く、希望の物件が見つかればお得なタイミングになります。
・11〜12月:じっくり検討したい人
11~12月は年明けに向けて物件が徐々に出回り始めるうえに、不動産業者にも余裕があることから、じっくりと時間をかけて検討できます。焦らずに比較しながら物件を探したい人におすすめです。
【まとめ】引越しのおすすめの時期は
何を優先するかで変わる
今回の記事では、引越し時期について、料金の安い時期や選び方を解説しました。引越し料金だけにとらわれてしまうと、「焦って決めてしまい物件選びに失敗した」など、引越し後に後悔する人も少なくありません。
このような失敗を防ぐためにも、事前に希望の条件を洗い出しておくことが大切です。価格重視なのか物件重視なのか、自分にとって何を優先するかで最適な引越し時期が変わってきます。
とはいえ、転勤などで引越し時期を大きく変更できない人もいるかもしれません。その場合は、複数の業者から相見積もりを取るなどして値段交渉を行い、少しでもお得に新生活を迎えましょう。